キバスタ

言いたいことを言い、わがままに生きてきたキバショーのスタイルとは?

MENU

松方弘樹が残したものとテレビの衰退

スポンサードリンク

松方弘樹が亡くなった。

昭和後期を代表する名優だが、映画俳優としての松方の代表作と言えば、なんといっても「仁義なき戦い」だと、私は勝手に思っている。

知ってるよね?

有名な映画だから。

松方の役は、山守組の若頭・坂井。

ドスのきいた声でしゃべるセリフの数々。

いやー、迫力があった。

そんな松方演じる坂井のアパートを、菅原文太演じる広能が訪ねてくるシーン。

話の途中、広能がタバコを取り出そうとして内ポケットに手を入れた瞬間。

広能が拳銃を取り出して自分を殺そうとしていると勘違いした坂井は、ビビって悲鳴を上げる。

ひえーっっ!!

「仁義なき戦い」の中でも、なぜか、このシーンは印象深い。

拳銃で殺されると感じたコワモテの極道が情けない声を上げる、この落差。

このギャップ。

筋金入りのヤクザでも死ぬのはやっぱり怖いんだ。

ビビった極道を演じた松方のリアルな演技にミョーに納得した。

これは、やっぱり実録ものならではの演出なんだな、と。

 

【スポンサードリンク】
 

 

 俳優がバラエティー番組に出演するきっかけを作った松方 

 

でも、松方の活躍は役者だけではない。

私などは、やっぱり、ビートたけしの「元気が出るテレビ」での松方を思いだす。

大物俳優がバラエティに出演してなにをやるんだ?

などと、最初は違和感満載だったんだが。

蓋を開けてみれば、これが、また大当たり。

ヤクザばかりを演じてきた大物俳優の素顔は、実は、非常にお茶目だったことが一般に大いに受け、それ以後、松方は、バラエティ番組に引っ張りだことなった。

松方だけではなく、梅宮辰夫、高橋英樹、中尾彬などの大物俳優が次々とバラエティに出演して、今ではバラエティになくてはならない存在となっている。

映画やテレビでよく見る、顔も名前もよく知っている俳優が、その役柄やイメージとは全く違った素顔をさらす。

そのギャップがお茶の間に大いに受けたんでしょう。

私の記憶が正しければ、そんな大物俳優がバラエティに進出するきっかけを作ったのが、松方弘樹だと言える。

もし、松方がいなければ、ひょっとしたら、梅宮辰雄、高橋英樹、中尾彬などの現在の活躍もなかったかもしれない。

さらに言えば、女優の杉田かおるや、今を時めく坂上忍の大ブレークも我々は目にすることはなかった可能性がある。

杉田かおるにしても、坂上忍にしても、松方ほど大御所ではないが、役者としてのキャリアは十分長く、実績も積んでいるから、ほとんどの視聴者は顔をよく知っている。

清純派の役が多かった杉田かおるが負け犬キャラで大ブレークしたのも、坂上忍が毒舌・キレキャラとしてブレークしたのも、役柄やイメージとのギャップが受けているんだろうと思う。

あるいは、隠された素顔がさらけ出された意外性もあるんでしょう。

 

【スポンサードリンク】
 

 

 テレビの衰退 

 

しかし、松方から始まった、この俳優兼バラエティタレント路線が、いつしか変貌していく。

十分なキャリアも実績もない若手男優・女優が、バラエティにどんどん出始めた。

バラエティに出始めたというよりも、むしろ、バラエティで名前と顔を売り、同時並行して映画やテレビで役者もやっていこうという事務所の方針なんでしょう。

でも、その弊害として、ロクにおしゃべりもできない、面白いことも全く言えない若手男優・女優が、番宣がらみでバラエティに出るから、当たりさわりがなく、内容のない番組になってしまう。

また、役者としてのイメージを壊すわけにはいかないから、視聴者が期待しているような本音ぶっちゃけトークも思うようにできない。

 

つまり、役者としてもまだまだ駆け出しにすぎないため演技も未熟。バラエティタレントとしてもダメダメ。結果として、テレビ全体がつまらなくなる。

 

松方、梅宮、高橋英樹、杉田かおる、坂上忍など一流の役者と言われるような人は、やはり、その番組で自分が何を求められているかを機敏に察知して臨機応変に対応できる。

そして、視聴者の期待通り、時には、いい意味で視聴者の期待を大きく裏切るような意外なホームランをかっ飛ばす。

中村玉緒なんて、その典型だよね。

こういうのは、理屈とかなんとかじゃなくて、天性の感、役者としての感なんでしょう。

ところが、現在は、力のある芸能事務所のごり押しなんだろうけど、しょーもないアイドルなんかを起用して、しょーもない番組を作っている。

それで、視聴率が取れない、なんて悲鳴を上げているテレビ業界。

当たり前じゃないか。

そんな未熟者をテレビに出して視聴者の期待にそえるはずがない。

やっぱり、役者なら役者、バラエティタレントならバラエティタレントで、自分の立ち位置と、自分に求められていることをしっかり把握し、それに対して自分には何ができるか、瞬時に対応する能力のある人を番組に起用してほしいな。

大物俳優がバラエティ路線に進出するきっかけを作った松方弘樹の死というニュースに接し、一視聴者として、そう思うわけです。