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入社式で「この会社はおかしい」と思った私は3年後に転職した。その入社式の話

今の時期は卒業式シーズン。

卒業は、当然のことながら何かの終わりである。

しかし、何かの終わりということは、つまり、何かの始まりでもある。

卒業式を控えた、あるいは、もう卒業式を終えた大学生は、4月から就職をするわけだが。

4月から新社会人としてのスタートを切るわけだ。

みなさん、期待と不安で胸の中がいっぱいなのではないだろうか。

 

はたして、自分は、会社でうまくやっていけるのだろうか?

人よりも早く仕事をおぼえて、絶対に出世してやる。

 

様々な感情が胸に去来するだろうと思う。

もう、かれこれ二十数年前になるが、私の場合も同じだった。

色々な思いを胸に抱えながら、入社式当日を迎えたわけだ。

しかし、入社式当日、私は失望だけを味わった。

 

私が就職した年は、バブルが崩壊した年とも言われていたが、それは後から振り返ってから分かったことであって、当時はまだまだ、バブルの余韻が色濃く残っていた時期でもあった。

私が就職した大手金融機関は、日本人ならば誰でも知っている超有名な金融機関であり、給料が高いこともあって、当時から一般学生の間でも就職人気が非常に高かった。

ところが、その会社の入社式に出席して、私は、嫌な気分にしかならなかった。

入社前に抱いていた期待がすべて消し飛び、気分が重くなったものだ。

ただ、この時点では、単なる予感にしか過ぎなかったが、その後、研修を終えてから本配属になって、当初の失望が、絶望に変わった。

それから3年後、私は、転職した。

 

入社式でのスパイ活動

 

入社式の話をしよう。

4月1日、会社の東京本社にある大講堂に集められた新入職員たち。

周りを見回すと、私を含め、同期たちの顔に多少の緊張の色が見て取れる。

隣に座った同期と雑談をしながら、式が始まるのを待つ。

どこの学校? なんでこの会社を選んだん? この会社って結構厳しいらしいよ。

などなど。

そのうち式が始まった。

舞台の幕が開き、壇上に、会長と社長を筆頭にして役員たちがズラリと並んで座っている。

社長や役員たちの挨拶が始まるんだが。

これが、また、つまらないんだ。

まあ、当たり前か。

入社式での社長の話が面白いわけがない。

そこで、当然のように新入職員たちは、ウトウトし始める。

私もつられて、ウトウト。

時折、目を覚まして壇上を見ていたら。

役員の一人が、突然、立ち上がって壇上から降りて、新入職員の座席を回り始めた。

そして、入社式を取り仕切っている総務部の職員に何やら指示を出していた。

すると、裏に引っ込んだ総務部員が、数十人の社員を引き連れて、また入社式会場に戻ってきた。

私は、そのただならぬ雰囲気に完全に目を覚ましたのだが。

まだ、熟睡している同期はたくさんいた。

そして、総務部職員たちはというと、新入社員の座席を回りながら、寝ている社員の座席番号をチェックしているらしいのだ。

でも、寝ている本人には声をかけない。

退屈な入社式が終わったのち、我々新入社員は、大会議室に集められた。

それから、今後の研修についての説明があったのだが。

そのあと、何人かの名前が呼ばれて、別室に連れていかれた。

私は呼ばれることはなかったが、呼ばれた同期は数十人いただろうか。

入社式の間に寝ていた同期たちだ。

彼らは、その後もいつまでたっても戻ってくることはなかった。

研修所に移動し、私らは大食堂で夕食を食べていた時も、彼らは戻ってこなかった。

やがて、夜遅くなって、私たちは、研修所の部屋で思い思いに雑談をしていたところ、やっと呼ばれていた同期が帰ってきたのだ。

それで、話を聞いてみると。

彼らは、実に、数時間も1部屋に集められて、散々怒られていたという。

怒っていたのは、もちろん、あの役員。

「社長の話の最中に寝るとは、どういうことか!!!」

と、激昂していたらしい。

だから、寝ていた同期たちは、その間、飯も食えず、トイレにすら行ける雰囲気ではなかったという。

それからあとは、全員が反省文を書くために1部屋に缶詰めにされていた。

また、人事部の職員からも、こっぴどく叱られたらしい。

「こういうことをしていると、君たちの将来に響くよ」だって。

で、結局、数時間たって、やっと解放されたのだが。

ちょっと、やりすぎではないだろうか?

まあ、たしかに、入社式の社長のあいさつで寝ていた職員は、悪いよ。

悪いけど、そこまでやる必要があるのか?と思ったもんだ。

新入社員を眠らせない、希望にあふれるあいさつが、できんもんかな。

社長のあいさつと言っても、どうせ、総務部か、人事部か、秘書室の連中が書いたんでしょう。

人を眠らせるような文章を書く奴なんて、能力が非常に劣っていると私などは思うんだが。

違いますかな?

しかも、人事部の職員が、さっそく人事考課の話を持ち出して、さんざん脅かす。

ちょっと、まともな会社ではないと思った。

この会社は、希望ややりがいで社員を引っ張っていく会社ではなく、脅迫や恐怖で社員を締め付けていく会社なのだと、その時は、嫌な予感がしたものだ。

なにか、得体のしれない秘密集団に常に監視されて、行動のすべてが逐一人事部に報告されて。

この会社には、恐怖政治が敷かれているんじゃないか?と思ったものだが。

結局、私のこの「嫌な予感」は、当たっていた。

 

私は、3年後、この会社を去った。

お世話になった先輩社員に退社のあいさつに行った時のこと。

「このままだと、お前は負け犬のままだぞ」と諭された。

しかし、ごらんのとおり、私は30歳代前半で引退をして、現在は悠々自適にのんびり暮らしている。

働かなくてもいいし、生活に困るわけでもなし。

負け犬どころか、優雅な犬なわけだ。

ここに至るまでの私の道のりは、別に日を改めて書くことにしよう。

 

現在、卒業を控えている学生の皆さんは、4月からの新入社員生活に対して、心の中で不安や希望など様々な感情を抱えていると思う。

私のころは、インターンシップなどもなかったから、実際に入社してみるまで、その会社の雰囲気や環境などが分からなかった。

しかし、おかしな会社というものは、ごくごく、初期の段階で気づくものだ。

「この会社、なんかおかしい」ってね。

多くの場合、その感覚というのは当たっている。

そこで、「この先どうするのか?」と考えるのが、その後のあなたの人生を決める重要な岐路になる。

「おかしい」と思って、転職の準備をし始め、きっかけが来たら、すぐに飛び出す環境を日々作っておくのか。

あるいは、

「おかしい」と思っても、「どの職場もこんなもの」と自分に言い聞かせ、暗示をかけることで、今後の人生を会社人間として過ごすのか。

決めるのは、皆さん自身なのだ。

ただ、転職を繰り返し、30歳代前半で引退した私から一言言わせてもらえれば。

これからの時代、会社人間になるのは、リスクが高すぎる。

シャープや東芝の例があるでしょ?

このあいだまで、超が付くほどの一流企業が、いきなり、会社存続の危機にまで追い詰められるんだから。

皆さんには、ぜひ、そこのところをよく考えてもらいたい。

そして、40年後、50年後、自分の人生を振り返ったとき、後悔のない生き方をしてもらいたい。

アラフィフのオッサンである私は、切にそう願っている。