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バブル時代の就活伝説:毎日ステーキと特上うな重で接待されていた学生たちの不幸

前回は、入社式で「この会社はオカシイ」と思い、その3年後に転職をした私の入社式体験談をお話しした。

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そもそも、「そんな会社になんで入ったのか?」と今でも不思議に思うが。

やはり、日本人ならば誰でも知っているネームバリュー、大手金融機関という安心感、給料の高さ、そして、一番の原因は、当時の私の無知といい加減な就職活動にあったと思う。

 

なんせ、私の場合、就職活動中、会社が昼食や夕食でおごってくれる食事の豪華さで会社を選んでいたくらいだ。

 

あそこの会社は、毎回、ステーキと特上うな重を食わしてくれるけれど、この会社は、わざと食事時間をずらした面接時間を設定してきて、喫茶店でコーヒーしかおごってくれない。コーヒーしか飲ませないような会社なんて、切ってしまえ。

などと、思っていました。

 

あの当時の採用活動は、今振り返っても異常だったなあ。私の場合、会社から提供されたのは豪華な食事くらいだったけれど。就職後、同期に聞いてみると、風俗にまで連れて行ってくれた会社があったんだとか。

 

採用活動で学生を風俗に連れて行くんですよ?

そんなん、ありか!!!

うらやましいぞ、コイツ。

などと、これを読んでいる読者同様、私も一人憤っていました。

 

それで、私が入社して1年目、今度は学生を食事に誘う番になったときのこと。

朝はホテルの朝食、昼は特上うな重、夜はステーキか寿司で、毎日学生をもてなしていたところ、2か月で15キロも太ってしまいました。

 

そりゃ、そうだ。毎日、うまいもんばかり食べて、ほとんど運動しなかったんだから。ズボンが苦しいのなんの。できれば、ズボンをはかずに外を歩きたかったなあ、あの頃は。

 

ズボンをはかずに歩けたら、どんなに楽だろうって、本気で妄想していました。

 

私の場合は、さすがに学生を風俗に連れて行ったことはなかったけれど。内定を出した学生を拘束するために、ゲームセンターに連れて行き、1日中ゲームをしたことがある。

一人5万円くらい使ったかな。とにかく、朝から学生を連れまわして、夜までゲーセンに入りびたり、途中、朝・昼・晩の食事時間以外はゲーセンにいたんだから、我ながら頭がオカシイと思った。

 

長時間、ゲームをやっていたため、心身ともに疲れてしまって、最後は、学生を連れてサウナに行って疲れをとっていた。そんな毎日が1週間ほど続いたんだから、精神をやられてしまうよね。

 

それ以来、今に至るまで、ゲーセンに行ったことがない。もう、一生分ゲーセンに行ったんだと思う。

 

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今では、学生を採用する際に、このような時代遅れのリクルーター制度を利用している企業は、ほとんどないのではなかろうか。私のようなアラフィフ世代が経験したリクルーター制度というのは、学生が就職活動をする際、同じ大学の卒業生と直接会って、話をすることだった。

いわゆる、今でいうOB・OG訪問だ。

 

しかし、当時のリクルーター制度は、単なるOB・OG訪問ではなく、採用プロセスにきっちりと組み込まれた一連のシステムだった。これは、最初、ゼミの先輩・後輩関係を通じて連絡がくる場合が多い。

一番最初は、入社1年目の新入社員から電話で連絡があり、喫茶店でお茶を飲みながら、雑談をする程度。それ以後は、2年目、3年目の若手職員がやってきて、就職を考えている業界、志望動機や将来やりたい仕事などを学生から聞き出す。

それが、2、3回続いた後に、主任や係長などといった役職者との面談が続き、・・・・

という具合に、だんだんと偉い人に会っていくと行く仕組みだ。

 

当然、この一連の面接は、採用プロセスの一環なのだから、途中でリクルーターに嫌われたり、評価が低かったりすると、それ以降、会社から連絡が来なくなる。それは、会社から採用を拒否されたとことを意味するのだが。

まあ、よっぽどのことがない限り、会社の方から学生を切る、ということはない。なんせ、世はバブルの時代。会社としては、優秀な学生ができるだけたくさん欲しいわけだから。

 

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リクルーター制度は学生・会社双方に不幸な制度

 

今から考えれば、当時のリクルーター制度は、学生と会社双方にとって、不幸な制度だったと言える。というのも、当時は面接そのものが形骸化しており、ただ単に、雑談に終始することが多かった。

 

今の学生は、就職活動に臨んでいろいろと業界研究や会社研究をするんでしょ?

立派なもんだ。私の場合、業界研究や会社研究なんてした記憶がないのだ。

 

だから、会社のことなんてよく変わらなかった。よくわからないから、CMなどで有名な業界大手の会社としか面接をしなかった。例えば、繊維でいえば東レと旭化成、鉄鋼と言えば、新日鉄とかね。

 

このような超有名企業であれば、会社研究をしなくても、名前ぐらいは知っている。それで、就職情報誌で読んだ付け焼刃的な業界知識でも披露していれば、企業のリクルーターなどは、「君は、よく知っているな」などと手をたたいて褒めてくれたものだ。

 

私などは、「将来、うちの会社に入って、何をやりたい?」と聞かれて、「デカイことがやりたいです」などと真顔で答えていた。それで、最後の人事部長面接までトントン拍子で進んでいって、最終的に内定をもらうんだから、オカシな時代だよね。

 

今振り返っても、ヒドイとしか言いようがない。「デカイことって、なに?」と自分でもツッコミたくなる。具体的なことをなにも語っていないじゃないか。準備不足も甚だしい。

 

まあ、学生である私もアホなら、企業の採用担当者もアホだったんでしょう。登場人物はアホばかり。アホしか登場していないよね。

それが、当時の就活事情だったんだから、おそらく、今の学生たちが聞いたら、驚いて腰を抜かすに違いない。 

 

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リクルーター制度よりもインターンシップ

 

まあ、こんなアホなリクルーター制度を導入して、アホな学生を採用しても仕方ないわけだ。しかも、当時の企業の採用活動というのは、学生を接待して企業に対してよい印象を持ってもらい、採用につなげるという考え方が主流だった。

 

だから、わざと面接時間を食事時間にぶつけて、学生をステーキや、特上うな重、特上寿司で接待していたのだ。でも、そんなコストと労力をかけるのであれば、インターンシップを導入したほうがよかったんだろうと思う。

 

出来れば、3回生の夏休みや冬休み、あるいは、4回生の夏休みなど、大学の長期休暇を利用してインターンシップを実施し、少しでも自社の仕事に携わってもらい、学生に会社のことを知ってもらう機会を設ける方がいいと思う。

ちなみに、私は、アメリカの大学院に留学しているとき、3か月の夏休み中、東京の外資系金融機関でインターンシップを経験した。

 

まあ、インターンシップとはいえ、しょせん、会社のきれいな部分しか見せないわけだから、入社したら色々と負の部分もあるんだろうが、それでも、インターンシップは私の場合、非常にいい経験になった。

インターンシップの良い点は、やはり、実際に企業で実務に携わることができる点だと思う。インターンシップは、本場である欧米では当たり前の習慣であり、企業と学生のミスマッチがかなり減少する良い制度だと思う。

 

ただし、インターンシップも3か月とか長期でなければ、意味がない。1週間のインターンシップなんて、ほとんど何もやっていないと同じだ。最低でも、1か月かな。できれば、2か月くらいは欲しい。

 

あのバブル当時、バカなリクルーター制度で、多額の費用と労力をかけて学生を接待していたが、そんなことをやっても無駄だったのだ。それは、当時の入社3年以内の退職率の高さが物語っている。

当時は、大量採用・大量退職が当たり前の時代だったが、そもそもの原因は、採用活動における会社と学生の希望のミスマッチから生じている。

 

今の学生は、本を読んだり、OB・OGに話を聞いたりして、私のようなアホな就活はしていないだろうと思うが。それでも、その仕事が本当に自分に合っているのか、自分は本当にその仕事がしたいのか、実際に仕事をやってみるまで分からないのだ。

 

ある程度の長期間で設定されたインターンシップなら、学生に職場体験を提供することで、学生と企業とのミスマッチを防ぐことができる。ただ、問題は、果たして日本企業にインターンシップを受け入れる態勢ができているかどうか、ということである。

 

インターンシップの本場である欧米企業や、日本でも外資系企業であれば、インターンシップのノウハウの蓄積もあるし、受け入れ態勢もしっかりしている。

ここまでは、学生に見せてもいいが、ここからはダメ、とか。会社の汚点や恥部を隠すノウハウも含め、外資系企業のインターンシップのやり方については、日本企業も見習った方がいいだろう。

 日本企業は、積極的にインターンシップ制度を導入すべきだと思う。そうすれば、学生と企業側のミスマッチもだいぶ解消されるだろう。

 

そして、何よりも、就活で何の準備もしていなかった私のようなアホな学生を採用しないためにもね。