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ゆる~い部活動があってもいいんじゃないかなあ?:ゆるい部活動が教師を救うかもしれない

WBCで、侍ジャパンがアメリカに1点差で惜しくも負けて、世界一奪還の夢が破れたのは、ついこの間のことだ。

野球人気が衰え、今頃、WBCなんて見る人はいるんだろうか、と懸念されていたものだが。しかし、ふたを開けてみれば、テレビで放送されたWBCの試合の視聴率が、いずれも20%を超えるなど、相変わらずの人気ぶりだ。

一方、国内では、今現在、春の選抜高校野球大会が開催されている。こちらも、夏の大会ほど盛り上がらないものの、根強いファンを引き付けている伝統ある大会である。

しかし、日本人は、野球に限らず、スポーツ全般が好きだよねー。

だから、中高と部活動、特に運動部に入って、スポーツをやりたい生徒は多いんだが。私は、中学の時所属していた運動部を1年くらいでやめてしまった。

一言でいえば、練習がキツすぎるというのが理由なのだろうが。しかし、私には、今に至るまで一つの疑問があるのだ。

それは、学校の部活動、特に運動部では、スポーツを楽しめないということだ。

どういうこと?

みんな、一生懸命毎日練習して、真剣にスポーツをやっているじゃないか?

それなのに、彼らは、楽しんでスポーツをしていないのか?

このような疑問を持つ人は多いでしょう。

私は、こう答える。

「彼らは、スポーツを楽しんでいない。ただ、一生懸命やっているだけだ」とね。

何をやるにしても、一生懸命やることは、いいことだ。しかし、一生懸命やることと、楽しむことは違うと思う。

 

中高の部活動、特に運動部では、スポーツを楽しむことはできない。

私は、そう思う。

なぜなら、日本中のすべての学校の部活動は、かならず、県大会や全国大会を目指そうとしているからだ。

これは、不思議なことに、例外はない。どんなに小さな自治体、例えば町や村の中学や高校でも、運動部は、必ず県大会や全国大会を目指すような仕組みになっている。

例えば、高校の野球部がいい例だ。

これは、全国どこの町の高校でも、野球部に入れば自動的に、甲子園への出場を目指して毎日練習をするような仕組みになってしまう。

まあ、甲子園に行きたい選手は、それでいいかもしれないが。

しかし、それでは、本格的に練習して甲子園を目指す気のない、ただ単に野球を楽しみたいだけの人は、そもそも野球部に入れなくなるのだ。

 

これは、他の運動部も同じことだ。

サッカーが好きだから、サッカーをやりたい。でも、大会に出るほど、毎日、きつい練習はやりたくない。ただ、単にサッカーを楽しみたいだけ。などという人は、現在、学校のサッカー部には入ることはできない。

入ったとしても、きつい練習と、先輩からの訳の分からないシゴキに耐えかねて、退部するしかないのだ。

サッカーを楽しみながら習いたい。うまくならなくてもいい。みんなと楽しみながらサッカーをしたいという生徒たちは、絶対いるはずなのだが。現在の日本の学校では、こういう生徒たちの行き場がないのである。

それは、つまり、学校の部活動がすべて、県大会や全国大会に出場するという目的の元に作られているからに他ならない。

簡単に言えば、ゆる~い部活動がないのである。

 

日本の学校には、ゆる~い部活動が存在しない。

この事実は、また、学校の教師をも苦しめているのだ。

今、教育現場では、教師たちが疲弊しているという。それは、もちろん、通常の授業やその準備に加え、なんでも学校に要求してくる父兄からの要望に応える必要があるということもあるだろう。

しかし、大きな問題点として挙げられているのが、学校での部活動なのだ。

全国すべての中学・高校では、運動部、文化部に限らず、課外活動として何らかの部活動が行われている。そして、この部活動の顧問には、教師が就任しているのが一般的だ。

そうすると、教師たちは、平日でも授業以外に、課外活動である部活動の監督もしなければいけないし、休日の練習試合や大会にも出席しなければいけない。

だから、教師は、まったく休むことができないのだ。

しかも、部活動は課外活動だから、原則無給。教師たちは、平日には時間外労働を強いられた上に、休日も休み返上で生徒たちの部活動についていかなければいけない。しかも、無報酬で。

かくして、学校の教師は、ブラック職場となった。

 

そもそも、すべての学校のすべての部活動が、県大会や全国大会を目指す必要があるのだろうか?

と、私は思う。

もちろん、私は、大会を目指す部活動の在り方を否定しているわけではない。夏の高校野球などは、私のような野球をやったことがない者でも、やはり見ていて感動するからね。

しかし、問題なのは、すべての学校のすべての部活動が、大会出場を前提に作られているという点だと思う。いわゆる、選択肢がないのだ。

勝ち負けにはこだわらず、男女が一緒になって、純粋にスポーツを楽しむ。キツイ練習は全くない。

そんな部活動があってもいいのではないだろうか。

例えば、こんな部活動はどうだろう。

男女が一緒になってやるバレー部とか。男子と女子が一緒にやるんだから、当然、当たったら痛いマジなボールなんて使用禁止。

使用するボールは、夏の海水浴で使用する、空気を入れて膨らませるビーチボールだけ。それで、バレーに飽きたら、ビーチボールを使ったドッジボールやキックベース。

夏になって、暑くなったら、プールで泳ぎながら、ビーチボールでバレー。

冬は、そうですねえ。なにをやろうかなあ。

雪が積もれば、雪合戦でもしますかね。

雪がなければ、おしくらまんじゅう? 古いか。今の若い人は、知らないよねえ。

まあ、そんなことをしているうちに、男女のカップルがいくつか誕生したりして。

って、こんな部活動はどうでしょう?

なんか、今はやりの婚活イベントみたいな気もしないではないが。

 

現在、学校で活動している部活動の中には、県大会で万年最下位というバレー部、バスケ部、テニス部、野球部などがあるはずだ。

そういった万年最下位の運動部などは、ゆる~い部活動に衣替えすればいいんじゃないでしょうか。このような、ゆる~い部活動であれば、顧問の教師なんていらないわけで、教師の負担も減るんじゃないだろうか。

しかし、そうなると、もちろん、万年最下位の弱小チームが、熱血先生の熱い指導によって、最後には栄冠をつかみ取るというような、アラフィフ世代なら誰もが胸を熱くするテレビドラマ「スクールウォーズ」の実話などは生まれなくなるんだろうが。

ただ、今みたいな全体主義的な部活動の体制は、私には、どうも性に合わないんだ。そういう人は、私以外にもたくさんいるはずだ。

私の学生の頃は、例えば、野球部に入ったら、1年生は、玉拾いにグラウンドの整備、それと上級生に頼まれた雑用をこなし、などなど。訳の分からない上下関係の元で、こき使われるだけ。

そして、ミスしたら、ケツバットや、ヒドイ場合にはビンタなどの体罰が待っている。ミスしたら、特に大事な場面でミスをすれば、それは、本人が一番心に傷を負っているんだ。

それを、さらに、ビンタしたり、殴ったりして肉体的なダメージを与える必要があるのだろうか?

これは、どう見ても、理不尽な仕打ちとしか言いようがないではないか。

こんな訳の分からない仕打ちをされるのは、これが、大会出場が目的なだけの部活動だからなんだ。彼らは、一生懸命野球をやっているかもしれないけれど、ほんとに楽しんで野球をやっているのか、という疑問を私はいつも持っていた。

彼らの顔はいつも真剣だが、彼らが笑っている瞬間を見た人はいない。笑えないスポーツは、やってて楽しいはずがない。

だから、ゆる~い部活動があってもいいんじゃないかなあ?

キツイ練習なんかまったくなくってさ。男子と女子と一緒になって、和気あいあいと笑いながら、場合によってはイチャツキながら運動をするような、そんな部活動はダメなんでしょうかねえ?

 

毎朝、ウォーキングをする途中、公園の横を通る。老人たちが、グラウンドゴルフをやっている。

どちらからともなく、朝の挨拶を交わすようになった。聞けば、老人たちは、60代以上で、最高は92歳という人もいた。みな、現役を退いた後、健康のために始めたらしい。

のどかなもんだ。

ある日、いつも話をする老人が、「来月、大会があるんですよ。だから、今、出場する選手を選んでいるんです」と言っていた。

なるほど、みな、真剣な表情だ。

「あなたも、一つやってみませんか?」と誘われたが、断った。老人のスポーツだから断ったのではない。

彼らの表情から笑顔が消えていたからだ。

この老人たちは、生まれてこの方、学生時代、社会人時代と、ずっと競争してきたにもかかわらず、引退した後始めたグラウンドゴルフでも、いまだに競争したいのだろうか?

彼らに、休息、楽しみという言葉はないんだろうか?

死ぬまで、他人と競争し続けるのだろうか?

もはや、私には分からない。理解できない光景だった。