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私がふるさと納税をやめた理由:税金を吸い込んだ黒いトンネルの疑惑

近頃、豪華な返礼品競争ばかりが注目されているふるさと納税。

一方で、終わりのない返礼品競争から撤退する自治体もあり、さらに、総務省がその激化する返礼品競争に苦言を呈するなど、なにかと話題も多い。

 

みなさんは、ふるさと納税を利用しているだろうか?

本来であれば、自分の出身地である地方、たまたま旅行に行って気に入った地方、ニュースなどで窮状が伝えられている地方などへの財政支援が目的のはずだが。

その地方に縁もゆかりも、関心すらないのに、豪華な返礼品目当てでふるさと納税を利用している人も多いのではないだろうか。

 

私は2年前に地元へのふるさと納税をやめた

 

豪華な返礼品目当てという、ふるさと納税の本来の趣旨から外れた行為を非難しているわけではない。

ふるさと納税には節税効果があるため、どうせ税金を納めなければいけないのであれば、せめて豪華な返礼品をもらうほうが良い、と考えるのは当たり前だ。

私も、ふるさと納税は利用している。

つい2年前までは、私の出身地である自治体にふるさと納税をしていたのだが、あることをきっかけに止めてしまった。

そのきっかけとは、2年前に、帰省した際に知った事実である。

 

2年前、久しぶりに帰省した時のこと。市役所に勤める友人が、ドライブがてらに色々と案内してくれた。

私の故郷は、相変わらず小さな田舎の町だ。平成の大合併で、今でこそ市と名乗っているけれど、近隣の町村が寄せ集まっただけ。

行政区域が広くなっただけで、人口はむしろ減り続けている。早い話が、過疎化は相変わらず進んでいる。

そんな、私の地元を、久しぶりに友人の車でドライブしたわけだが。

 

利用者のいない過疎地間トンネル

 

あれ? こんなところにトンネルがあったっけ?

見慣れないトンネルを走り抜けている時、記憶にないそのトンネルについて友人に聞いてみた。

「ああ。このトンネルは去年できたばかりだ。今はやりのふるさと納税で作られたトンネルだ」と言う。

ふるさと納税が、こんなトンネル建設に使われていたのか。私は、ショックだった。

というのも、そのトンネルは、過疎地区から過疎地区の間を結ぶトンネルだったからだ。いわば、無駄なトンネルだ。無駄な公共事業だ。

これが、例えば、過疎地区から町の中心部に抜けるトンネルならば、まだ話は分かる。僻地から町の中心部への交通アクセスを便利にするという大義名分は、分からないものではない。

しかし、過疎地区から過疎地区、僻地から僻地へのトンネルなんて、必要なのか? そんなトンネル誰が使うんだ? イノシシとか鹿、タヌキくらいしか使わないんじゃないか?

そんな野生動物しか使わないようなトンネルが果たして必要なのか?

しかも、ふるさと納税の貴重な税金を、そんな無駄な公共事業に費やすとは、バカな話だ。

 

このトンネルが必要ないものだというのは、地元の人間であれば誰でもすぐ分かる。実際、このドライブ中にも、すれ違った対向車はゼロ。

おそらく、酒に酔っぱらってトンネルの真ん中で大の字になって寝たとしても、翌日まで熟睡が可能だろう。そう思われるくらい、このトンネルは利用者が少ない。

なぜならば、過疎地区から過疎地区、僻地から僻地を結ぶトンネルだからだ。

 

トンネルの闇は深い

 

こんな利用者の少ない過疎地間トンネルの建設に疑問が湧いたため、知り合いの市会議員に電話して聞いたところ、案の定、利権がらみのトンネルだった。

市長の後援会の有力な幹部が地元で割と大きな建設会社を経営しており、工事に一枚噛んでいたらしい。

当然、議会でも、そんな過疎地間トンネル建設に疑問の声が上がったけれど、そんな声は、所詮少数派でほとんど無視されたという。

地方議会では、共産党など一部の議員を除き、ほぼすべての議員が首長与党を形成している現状がある。だから、都道府県知事、市町村長などの首長の提案が、議会で否決されることはほとんどない。

本来であれば、議会というのは行政に対するチェック機能が期待されているわけだが、それが全く機能していない。まさに、今現在、日本の地方議会の多くは機能不全に陥っている。

私の故郷の町も例外ではない。

トンネル建設に疑問の声が上がったにもかかわらず、建設が推進され、ほとんど誰も利用しない立派なトンネルだけが完成した。

そして、市長の後援会の有力幹部の経営する会社は、トンネル工事でだいぶ利益を上げたという。

このトンネルの闇は、どこまでも深い。

 

失望したふるさと納税

 

このトンネルの件があってからというもの、私は、自分の出身地へのふるさと納税を止めた。

バカらしくなったのだ。

私がふるさと納税をやっていたのは、だれも利用しないようなトンネルにお金を使ってほしいからではない。

学校の耐震工事とか、老朽化した校舎の修繕とか。

そんなところに税金が使われたらいいなあ、と思って、ふるさと納税をしてきたつもりだった。

しかし、せっかくのふるさと納税が、一部の利権屋の懐に入っただけ、という事実には失望してしまった。

 

佐賀県上峰町の例

 

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佐賀県上峰町では、昨年末、ふるさと納税により町財政が改善したため、廃止されたはずの町会議員の手当てを復活する提案が議会に提出されたことで、物議をかもした。

結局、この提案は、全国から批判が殺到して撤回を余儀なくされたのだが。

佐賀県上峰町のふるさと納税の返礼品と言えば、上記写真の高級佐賀牛肉が全国でもトップクラスの人気商品だ。

莫大なふるさと納税による寄付金が同町の財政改善に寄与したのだが、こうなるとすぐ、廃止された議員手当てを復活するとか、そういう話が出やすい。今回は、マスコミで大々的に報道されたから、議員手当てが復活されることはなかったが。

なんらかの手段で、税金を分捕ってやろうと虎視眈々と狙っているヤツらは、上峰町の議員に限らず、多いのだ。

 

ふるさと納税と地方議会の正常化

 

上峰町の例が影響しているのかどうかは分からないけれど、今、ふるさと納税の使途を限定しようとする自治体も出てきている。

つまり、教育目的だけにしか使わないふるさと納税とか。

ただ、これも、例えば学校の耐震工事に、首長の後援会の幹部が一枚噛むとか、そういった形で公共事業のウマミに付け込むヤツらが出てくるかもしれない。

これは、やはり、本来的には行政のチェック機能を期待されている地方議会の正常化に期待するほかないのだが。

地方には人材がいないため、なかなか難しいのが現状だろう。

 

私は、過疎地間トンネルの建設をきっかけに、地元へのふるさと納税を止めてしまった。みなさんは、どうだろう?

もちろん、返礼品目当てで、あとは知ったこっちゃない、というふるさと納税の利用者もいるだろうと思うし、私も、そんな人たちを非難するつもりはない。

でも、せっかくのふるさと納税が、利権屋の懐に入っていくのを見過ごすのも、癪に障るだろう。

ふるさと納税をしている人たちは、豪華な返礼品にばかり目を奪われず、自治体での税金の使われ方にも注意を払うほうが良いのだろうと思う。