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キッズウィーク導入で分散家族の絆は取り戻せるのだろうか?

安倍首相が、最近、キッズウィークなるものを提唱し始めている。

キッズウィークって、なに?

キッズウィークというのは、子供たちの夏休みのうち5日間を他の時期に移して、前後の土日と合わせ、人工的に9連休を作ろうという試みだ。

しかして、その意図するところは、家族一緒に過ごす時間を増やし、観光需要の分散化や地域の活性化を図るという。

ふ~ん。なるほどねえ。

まあ、確かに、やりたいことの意図は分かるんだが。

果たして、うまくいくかねえ。

 

盛り上がりに欠けるプレミアムフライデー

 

そういえば、安倍政権が鳴り物入りで誕生させたプレミアムフライデーも、先月で3回目を迎えたが、あまり盛り上がっていないようだ。

経済産業省の調査によれば、早期退社を導入した企業は、4月の時点で、わずか376社に過ぎない。

月末の最後の金曜日に早期退社をして、飲食店、ショッピングなどの需要を盛り上げようとしたようだが。

現実には、盛り上がりを欠いているようだ。

そもそも、飲食店や百貨店に勤めている社員は、逆に、早期退社できないという、サービス業ならではの矛盾もある。

人が休んでいる時には、休めない。人が休んでいない時にも、休めない。

飲食業界などは、低賃金、長時間労働、休日出勤などが常態化しており、それゆえに、ブラック企業が多い。

プレミアムフライデーさえ、うまく行かなかったのに、キッズウィークがうまく機能するとは、まったく思えないのだ。

 

子供は休めるが、親は休めるのか?

 

おそらく、プレミアムフライデーを導入するよりも、キッズウィークを導入することはよほど簡単だ。

プレミアムフライデーは、政府のコントロールが効かない民間企業に対して、お願いや要請、あるいは協力という形でしか導入できない。一方、キッズウィークは、文部科学省が各都道府県を通じて、上意下達という形で各学校に通達を出すだけで良い。

子供たちは、それで休むことができるが、肝心の親はどうだろう?

ほとんどの親は、なかなか休むことができないんじゃないだろうか。そもそも、地域ごとに、キッズウィークを導入するわけでしょ?

たとえば、沖縄では、残暑厳しい晩夏にキッズウィークを設けたとして、一方で、北海道は、厳冬の真冬にキッズウィークを設けたとしたら、全国に支店を持つ大企業などは、かえって困ることになる。

「なんだよ、今ごろ、休んでるのかよ!!」

などと、悪態をつかれかねない。

 

ことごとく失敗した休日分散化の試み

 

過去にも、正月やお盆、ゴールデンウィークなどに集中する交通渋滞の緩和、観光需要の分散化を狙って、これらの休みを地域ごとに分散させようという試みが何度も提言されたが、ことごとく失敗している。

それは、やっぱり、地域ごとに分散された休みというのは、企業活動の上では支障が多いからだ。

東京の人が働いているのに、大阪の人は休みにくいものだ。

それならむしろ、みんなが一斉に休み、建物のシャッターを下ろした方がよい。

せーのー、さん、ハイ! で、みんなが一斉に休む。

かくして、正月、お盆、ゴールデンウィークに休みが集中するが、みんなが休むから休みやすいという当たり前の結論に至ることになる。

結局、休日の分散化は成功しない。

 

キッズウィークへの過度な期待は禁物

 

さて、問題のキッズウィークなのだが、地域ごとに子供たちに連休を取らせたとしても、親が休めないのであれば、家族一緒の時間をつくるという意図は、その時点で失敗してしまう。

親が仕事で出勤するのであれば、子供は学校で部活動をするか、塾や習い事に行くか。

まあ、そんなことしか思い当たらんのだが。

キッズウィークの導入が、観光需要の分散化や地域の活性化を推し進めることが、果たして期待できるのだろうか?

 

ガンはやはり日本人の労働意識

 

プレミアムフライデーが盛り上がらず、休日の分散化ができないのは、やはり、日本人の労働意識が変化していないから、というのが一番大きい。

ようするに、社畜が多い、ということだ。

せっかく家を建てたのに、転勤命令が下って、泣く泣く家族とマイホームを残して、単身赴任。そんな人は、多いのではなかろうか?

転勤に対して、日本の企業では、まだまだ拒否できない空気が圧倒的だ。

 

キッズウィーク導入よりも労働者の権利の確立を

 

これが、アメリカであれば、転勤拒否などは当たり前で、せっかくシカゴ支社からミューヨーク本社に引き抜かれて、将来的に明るい未来が見えてきても、こんな絵に描いたような栄転を平気で断ってしまう人は、アメリカには普通にいるもんだ。

理由は、家族の理解が得られなかったからだ、という。

しかも、転勤を断ったとしても、その人が、社内で不利に扱われることはない。これが、アメリカだ。

日本企業で、もし転勤を断ったら、有形無形の圧力や嫌がらせを受け、最終的に退職を余儀なくさせられてしまう会社は、大企業といえども、多い。いや、むしろ、大企業だから多いのかもしれない。

サービス残業を強要されたり、有無を言わさず転勤をさせられたり、日本企業で働いている人たちは、労働者の権利を、なぜ主張しないのだろう? 

と私は思うのだ。

 

サービス残業を拒否し、転勤を拒否して、それで、企業から不当な扱いを受けたのであれば、その企業を訴えればいい。そして、企業に刑事罰を科すとか、多額の罰金を科すとか、重いペナルティーを科す方向で政府は法律を改正すべきなのだ。

労働者の権利を確立せずして、休みを分散化したり、早期退社を促したり、残業の上限を定めたり、そんな小手先だけの小細工をしたとしても、効果は薄い。

 

長時間労働を強いられたり、単身赴任を強いられたりで、親と子供の関係は、すでに分散化してしまっている。そんな分散家族に、キッズウィークを導入して休みを分散化したところで、今さら絆を取り戻すのは難しい、と思うよ。