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君は、テレビ東京の「池の水ぜんぶ抜く」を見たか?

先月、すでに第三弾が放送された「池の水ぜんぶ抜く」。

テレビ東京の日曜ビッグバラエティ枠で放送されていたわけだけれど。

みなさん、見ました?

ロンブーの田村淳と、ココリコの田中直樹がメインMCとして進行するバラエティ番組だ。

その内容というのが、ただひたすらに池の水をぜんぶ抜き、その後で外来生物などを捕獲し、池の清掃をしてきれいにした後、保護した在来種を元に戻すということを、延々2時間放送し続けるという、異色の番組だ。

今年の1月に第一弾が放送されたのち、先月には、すでに第三弾が放送されるという人気番組に育ったわけだが。

たった、半年足らずで第三弾が放送されるなんて、よほどの大反響があったんでしょう。

 

でも、よくよく考えてみれば、ただひたすら池の水をぜんぶ抜いて、生息している生物を捕獲する番組なんて。

「よく、こんな番組が成立するよなあ」と普通は思うでしょうが。

こんな地味な番組を放送するなんて、まさに暴挙。

暴挙としか言いようがないわけで。

しかし、そんな地味な番組だけど、不思議と大反響があり、わずか半年で人気番組へと育ってしまった。

なんでだろう?

 

思うに、池の水を全部抜くって、ロマンなんだろうなあ。

そう。

男のロマン。

池の水を全部抜くのを男のロマンと言わずして、ほかの何を、男のロマンと言うんでしょうか?

「池の水を全部抜く以外に、男のロマンなど存在しない」と言っても、過言ではない。

 

普段は、満面に水をたたえた濁った池。

時折、水面近くに巨大な魚がスッと現れては、ふたたび水底に潜っていく。

そんな池の様子を見て、「この池には、いったい、どんな生物がいるんだろう?」と、我知らず、想像力をかきたてられた経験を持っている人は多いはず。

そんな想像力をかき立てる池。

その池の水を全部抜くとなったら、どんな生物がいるのか、ぜひともこの目で見てみたいと思うでしょーが?

これを男のロマンと言わずして、なんと言うんだ?

 

テレビ東京の「池の水ぜんぶ抜く」は、そんな男のロマンというか、男の夢を実現してくれた稀有な番組である。

こういう番組を、ぼくたち男の子は、待っていたんだよ!!

池の水が次第に抜けていくにつれて、次々に姿を現す生物たち。

ある池には、体長1メートルを超す巨大なアリゲーターガーが生息していた。

また、ある池では、大量のミシシッピアカミミガメ(通称:ミドリガメ)を捕獲していた。

さらに、ある池では、何百匹というアフリカツメガエルを一網打尽にしていた。

スゴイよね!! テンション上がるよね!!

 

他にも、ブルーギル、カミツキガメ、ソウギョ、コイや、ヘラブナなども捕獲されていたけれど。

コイは、外来種だって知ってた?

ヘラブナは、もともと関東に生息しない魚で、関東では、国内外来種という扱いにされるらしい。

当然、これらの外来種は駆除の対象になるわけだが。

でも、その外来種の数が半端ない。

池によっては、外来種ばかりで、もともと日本に生息している在来種が全く見られなくなっている池もあった。

在来種は、外来種に食べられて、死滅してしまったんだと考えられている。

人間の都合で外国から輸入された外来種が、いつの間にか日本古来の生態系を破壊してしまった、その異常な現状を見せてくれる。

 

男のロマンと、日本の生態系の崩壊、環境破壊の現状など、男たちのテンションを上げつつも、それと同時に、環境破壊のすさまじさに改めて思いを致す番組が、テレビ東京の「池の水ぜんぶ抜く」という番組の魅力である。

この番組を見終わった後には、外来種の数の多さと、在来種の数の少なさに、改めて驚かされる。

カミツキガメ、ミシシッピアカミミガメ(通称:ミドリガメ)、ブルーギルにブラックバス。

全て、ペットとして外国から輸入されたものの、飼えなくなって池や湖に捨てられたものが繁殖したり、釣り愛好家が、環境への影響などまったく考慮しないで、自分勝手に放流したものが、今や、日本全国の川、池、湖で大繁殖して生態系を破壊している現状。

この番組を見て、改めて、日本古来の生態系の崩壊の深刻さを憂えざるを得ない。

 

ところで、捕獲された外来種というのは、どうなってしまうのだろうか?

当然、駆除対象ということだから、殺されるんでしょうなあ。

番組では、捕獲されたミシシッピアカミミガメ(通称:ミドリガメ)が、飼育業者に引き取られ、そこで育てられていたけれど。

それは、あくまでも例外的に運がよかったカメたちだ。

他の外来種は、すべて、殺されて焼却処分となってしまうんでしょう。

日本の生態系を守るためには、これは仕方がないことではある。

しかし、ただ殺すために捕獲するというのは、なんともかわいそうな気もする。

 

そもそも、外来種たちが悪いわけではない。

悪いのは、商売目的で外国から生物を輸入してきた業者であり、釣り人であり、飼えなくなったからといって捨ててしまった飼い主である。

外来種が日本の生態系を破壊している現状の直接的な責任は、まさしく、彼らにある。

外来種が悪いのではない。

悪いのではないが、でも、日本の生態系を守るためには、やはり外来種を駆除しなければいけない。殺さなければいけない。外来種を根絶やしにする必要がある。

一方では、生命の尊さを教えながら、一方では、駆除という名の無意味な殺生を行う。

これが、外来種駆除のジレンマでもある。

 

外来種は駆除しなければいけないが、ただ単に無意味に殺しつくす、というのは、やはり倫理的にも問題がある。

ならば、いっそのこと、有効利用できないだろうか?

 

たとえば、コイは、本来は外来種であるのだが。

しかし、日本にやってきたのが大昔であるため、現在では、各地で料理の食材として使用されてもいる。

郷土料理には欠かせない食材となっている地域もあるほどだ。

また、竹も本来は外来種である。

しかし、我々日本人は、古来から、春になるとタケノコを食し、また、生長した竹を工芸品に加工して有効利用してきた。

日本人にとっては、タケノコは春の訪れを告げる風物詩であり、竹細工は、古くから日常的に使用してきた生活用具として日本人の生活には欠かせない。

 

これらの例を考えれば、やっかいもので駆除の対象であるブラックバス、ブルーギル、カミツキガメ、ミシシッピアカミミガメ(通称:ミドリガメ)などの外来種も、ただ単に無意味に殺しつくすのではなく、食材などに加工できないであろうか?

そんなことを、誰しもが考えるだろう。

ブラックバスやブルーギルは、食べてもウマイという話である。

カミツキガメに関しては、その見た目のいかつさや、性格のどう猛さからは考えないくらい、料理の食材としては最高に美味な食材であると言われている。

実際、TOKIOの「鉄腕ダッシュ」で、カミツキガメを料理して食べるという企画があったが、出演者の誰もが驚嘆するくらい美味だったという。

もっとも、このカミツキガメ料理は、有名シェフが作ったからということもあるだろうが。

 

しかし、とにかく、日本全国の山や川で、日本古来の生態系が驚異的な速さで崩壊しつつある現状、外来種の駆除は、喫緊の課題である。

そして、従来の生態系を守るのは、我々の責務でもある。

我々の世代で、日本古来の生態系を壊していいはずがない。

だから、外来種は駆除しなければいけない。殺さなければいけない。根絶やしにしなければいけない。

しかし、同時に、無意味な殺生は、できるだけ、避けた方がいいのも事実だ。

最近は、ジビエ料理がブームだと言うが、これは、駆除対象となっているイノシシやシカの有効利用でもある。

 

カミツキガメやブラックバスに代表される外来種が、料理の食材として有効に利用されれば、また、日本文化の広がりにもなると思うし、日本料理の世界にも新たな可能性を開いてくれるのではないだろうか。