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ヒアリパニックで在来アリを殺す愚行と、毒虫との共生という我々の未来

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今年の5月に日本でヒアリが見つかって以来、大変な騒ぎになっている。

環境省が大々的に調査に乗り出すと、最近では連日、ヒアリの巣が見つかったなどというニュースばかりだ。

ひょっとして、もう手遅れなんじゃないだろうか?

いやな予感が頭をかすめる。

おそらく、そんな人は多いのだろう。

ここ最近は、ドラッグストアなどで殺虫剤や、アリを巣ごと駆除する薬剤も売れているという。

たぶん、殺虫剤やアリの巣コロリなどを使って、怪しいアリを見つけ次第、いや、むしろ全てのアリを殺してしまえ、という極端な行動に走る人が多いのだろうと思われる。

 

日本に従来から生息する在来アリも、手当たり次第に殺してしまう。

そもそも、在来アリまで殺す必要があるのか?

ヒアリだけを殺せばいいのでは?

だが、今回のヒアリ騒動に便乗して、問答無用に在来アリまで殺す。また、殺虫剤を使えば、アリだけではない、まったく無関係の生物まで全て殺しつくしてしまうのだ。

ヒアリパニック。

まさに、これこそが大問題である。

 

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そして、ヒアリに対するこのような過剰な反応に警鐘を鳴らす専門家もいる。

ニュースソースはこちら

上記の記事によると、ヒアリではない在来アリを殺すのは、ヒアリ対策として全く意味がないばかりか、かえって逆効果なのだとか。

そもそも、在来アリというのは、ヒアリにとっては競争相手である。

その在来アリを殺してしまえば、競争相手がいなくなった環境で、ヒアリが定着しやすくなると専門家は指摘している。

 

上記記事には、具体的に数字まで挙げて説明している。

たとえば、在来アリがいる環境でのヒアリの定着率は、0.5%以下であるのに対して、在来アリの数を減らした特殊な環境では、ヒアリの定着率は、なんと19%にまで上昇したのだ。

この研究結果から、在来アリが、ヒアリの定着を阻止する防波堤の役割を果たすだろうことが良く分かるではないか。

だから、ヒアリに対する恐怖に駆られるあまり、手当たり次第に、すべてのアリを見つけ次第殺すというのは、愚行に過ぎない。

こんなことは、今すぐにやめるべきだ。

 

もし、ヒアリかどうか分からない、疑わしいアリがいれば、すぐに自治体や環境省の事務所に連絡すべきなのだ。

素人判断で殺虫剤をぶっかけたり、アリの巣コロリなどで巣ごと殺しつくすなどという愚行を行えば、かえって自分の首を絞めることになる。

たしかに、マスコミが連日報道するように、ヒアリの毒性は強力だという。日本の在来アリにはないほどの強毒だから、神経質になって過剰な反応を取りたくもなるだろうが。

 

しかし、我々にとって、このような未知の生物に対しては、まず、その生物がどういうものであり、どんな生態をしており、どこに生息し、どういう風に接すれば人間に危害をもたらすのか、そして、その未知の生物に対しては、どのように対処すべきなのか、を知ることが、まず一番大事なのだ。

やみくもに怖がるのではない。

怖がるのにも、正しい怖がり方というものがある。

だから、何度も言うが、日本の在来アリを、この機に乗じて殺してはいけない。かえって、ヒアリの生息地域拡大を助けるようなものだからだ。自分で自分の首を絞めることになる。

 

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そもそも、アリの巣コロリなんて、なんで売られているのか、私は常々疑問に思っていた。アリの巣コロリは、文字通り、アリの巣ごと、すべて消滅させるほどの薬剤なのであるが。

もちろん、このような薬剤は、今回のヒアリ騒動を機に発売されたわけではない。ずっと以前から発売されていた。

アリを巣ごと全滅させる必要があるのだろうか?

そんな疑問が、どうしても私の頭から離れない。

アリなんて、蚊と違って人間を刺すわけではない。たしかに、食べ物のカスが床に落ちていれば、アリが寄ってくることはあるけれど、それでも、アリの巣ごと全滅させる必要性があるのか、はなはだ疑問だ。

私が思うに、アリの巣コロリなどという薬剤は、この世に必要ないと思う。一般の無害なアリに対する明らかな過剰反応だと思うのだが。

 

今回のヒアリ騒動に関しては、環境省がヒアリ対策終息宣言を出すまでは、裸足にサンダル履きで草むらに入らないとか、アリをむやみに触らないとか、巨大なアリ塚を見つけたら、とりあえず学校や自治体に報告するとか、そういった地道な対策を続けていくしかないだろう。

まだ、ヒアリ問題は始まったばかりなのだから。

 

とは言いつつも、私は、半分諦めかけている。

おそらく、ヒアリはもうすでに日本に定着しているだろうし、今後も、生息域を拡大するだろうし、最終的には、我々はヒアリを身近に感じつつ、共生しなければいけないのではないか?

そんな風にすら感じるのだ。

 

みなさんは、セアカゴケグモというクモを知っているだろうか?

このクモは、1995年に大阪で発見された。本来は日本にいない外来種である。

当時は、非常に強力な毒を有するクモとして連日マスコミをにぎわせたほどだ。なんせ、セアカゴケグモにかまれて死亡した例もあるほどで、それだから、よけいにマスコミも騒ぎ立てたのだろうと思う。

もちろん、日本にはこのような人を死に至らしめるほどの強力な毒をもったクモなどは、これまでにいなかった。

だから、当時は、ちょうど、今回のヒアリと同じようなパニックを引き起こしたものだ。

 

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では、あれから、20年以上が経過した現在、セアカゴケグモはどうなったか?

残念ながら、セアカゴケグモは、日本に定着してしまった。環境省を始めとする各自治体による対策もむなしく、セアカゴケグモは、今では日本全国で普通に見られるクモになってしまったのである。

おそらく、皆さんが住んでいる地域の道路の側溝の蓋を開けてみれば、セアカゴケグモの2匹や3匹は、すぐに見つけ出すことができるかもしれない。

セアカゴケグモは、すでに、それだけ我々に身近な生き物となってしまったという証拠でもある。

 

セアカゴケグモ騒動も、現在のヒアリパニックと同様、当時の日本に大きな衝撃を与え、環境省を始め各自治体が懸命に対策を施したにもかかわらず、結局は日本に定着してしまった。

だから、今回のヒアリに関しても、おそらく、撲滅は無理だろう、というのが私の偽らざる感想である。

それでは、ヒアリに関しては、どう対処すればいいのだろうか?

 

ヒアリに限らず、前記のセアカゴケグモや、カミツキガメなどで、すでに日本に定着している危険生物に関しては、我々は共生せざるを得ないだろう。

残念ながら。

我々が好むと好まざるとに関わらず、だ。

具体的には、道路の側溝や、石の下にはむやみに手を入れない。用水路や小川の周辺にはカミツキガメが生息している可能性があるので近づかない。草むらに、裸足にサンダル履きで立ち入らない、など子供たちへの教育が重要となるだろう。

また、大人も、以上のことに注意すべきだ。

 

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昔はよかった、などというと、年寄りくさく聞こえるかもしれないが、でも、やはり、昔はよかった。

私などが子供のころは、裸足にサンダルや草履履きで、川に入って石の下にいる魚を手づかみで捕まえたり、草むらに入ってバッタやトンボを捕まえたりしたものだ。

ヒアリなんていなかったし、セアカゴケグモの恐怖に怯えることもなかったし、カミツキガメなんて見たこともなかった。

自然は、まさしく子供たちの最大の遊び場だったし、自然から学ぶことも多かった。

でも、今は、日本も変わってしまった。自然は、もはや、子供たちが安心して遊べる場ではなくなっているのかもしれない。

「古き良き日本」という言葉があるが、今回のヒアリ騒動を聞くにつけ、そんな言葉も思い出した。